【ライダー邸】 てくてく RX「なぁ、ZO。タックルさんがこの前くれた鉢植え、枯れてきちゃったんだぁ。 どうしよう?」 ヤバイ サッ タックル「あっRX! ひど〜い、枯らしちゃったのぉ?」 RX「わわっ、来てたの? ゴメン!」 ZO「大丈夫。貸して」 サクッ サクッ ZO「こうして広い花壇に植え替えて手入れしてやれば、すぐに元気になるよ」 タックル「よかったぁ〜! ZOって植物に詳しいのね」 RX( ZO… 頭が良くて、生き物が好きで、優しい。どこか信彦に似ているな ) RX「オレ達ずっと仲間だよな!」 ZO「もちろんだよ。急にどうかした?」 きょとん RX「なんでもない@」 RX( …シャドームーン… 今頃どうしているんだろう ) ひょこっ 2号「今晩はストロンガーも屋敷でメンテナンスだし、タックルちゃんもライダー邸に泊まってけば?」 タックル「あら、あたしは独りでも大丈夫! じゃあまた明日ね〜」 * * * トコトコ タックル「♪♪〜♪… ――――――ん?」 キラッ… タックル( 森の奥のほう? 何が光ったのかしら… ) 【タックルの家】 タックル「♪ ルル〜 ♪♪ル〜…」 コトッ… タックル「だめねぇ〜、このサボテン。ちっとも元気にならない。少し水やってみようかな?」 ギギ… シャドームーン「――――― やめろ… 腐ってしまうぞ…」 タックル「あらっ、気がついたのね!」 タックル「良かったぁ。あなた、森の中で半分土に埋まってたのよ。死んでんのかと思ったわ」 タックル「あたしはタックル。あなた名前は?」 シャドームーン「…」 タックル「ま、言いたくないならいいケドね。どうせワケありなんでしょ」 とことこ シャドームーン「……。 家族をさがしている」 タックル「家族? あなたの家族、生きてるの?」 シャドームーン「分からない」 タックル「ふぅ〜ん…」 タックル「まぁそういう話なら安心して。あたしには心強い仲間達がいるんだから。明日みんなにあなたのこと紹介するから 今夜はゆっくり眠りなさいな」 シャドームーン「ありがとう」 タックル「なんのなんの♪」 シャドームーン「…… そのサボテン。植え替えてやった方がいいよ」 タックル「あ☆やっぱり?」 ホ―… ホー… シャドームーン( …… 杏子、父さん、克美… 光太郎! みんなどこへ行ってしまったのだろう ) ハッ シャドームーン「!」 《窓のそと》 ダロム「どこにもおられんとは…!」 ビシュム「早くせねば、明日こそ満月というのに」 バラオム「月が満ちている間に事を終えねば、復活した我らの命も消えてしまう」 シャドームーン( …! ) ギ… カシャン… ――― 翌日。 チュン チュン… ふぁ〜 あふ タックル「おはよー …あっ、銀色の人がいない!」 タックル「あんな身体で出てくなんて!」 バタバタバタ タックル「あれっ、あたしのサボテン… ちゃんと植え替えられている」 * * * ストロンガー「―――――で、その『名無しのゴンベー』はどこかに消えちまったってワケか」 タックル「怪我してるのに… 心配だわ」 RX「ふぅん」 ZO「誰なのだろう?」 スカイ「どこかの組織の脱走者かな。 どんなヤツでした? 特徴とか」 タックル「そうねぇ。薄汚れていたけれど、全身がメタリックな銀色で眼はミドリ色。バッタの改造人間のような感じだったわ」 一同「 …… 」 どよ〜ん… くわっ ストロンガー「この、トンマぁ―っ!ソイツはなぁ『シャドームーン』っていう、俺達の敵なんだぞ!」 キィ〜ン…☆ タックル「誰がトンマよっ あたしの助けた銀色さんはそんなんじゃないわ! 物静かでとっても気の毒な人なんだから!」 タックル「ほら見て。この萎れたサボテンだって、去る前に植え替えてくれたのよ。きっと、お礼のつもりだったのよ」 RX「……」 スカイ「う〜ん、シャドームーンがこんなマネするとは思えないし、こりゃあタダの他人の空似かなぁ」 タックル「ホラ見なさいよ!」 ストロンガー「わ、悪かったよ」 ジッ RX( シャドームーンだ…! ) RX( シャドームーンが鉢植えの世話をした… という事は、信彦の心が少しでも戻ってきてるのかもしれない。 傷ついた姿で、さ迷っているんだ。早く捜し出さないと! ) ZO「RX?」 RX「タックルさん。そのサボテン、オレにくれませんか?」 タックル「え〜っ、ダメよ。RXったら、また枯らしちゃうわ」 RX「大切にしますから」 タックル「う〜ん… しょうがないわねぇ。そこまで言うんならあげるけどさぁ」 RX「ありがとう! じゃあ俺はこれで」 タタタタタタ… ZO「……」 ZO「タックルさん。その銀色の男は、他に何か言ってましたか?」 タックル「あ、『家族を捜してる』って言ってたわ」 ZO( 家族…? ) ZO「スカイ、そのシャドームーンという男のことを教えてくれないか」 スカイ「ああいいよ。ちょっと事情がフクザツなんだよ」 ――――― その夜、現在では空き家となった秋月邸 【秋月邸】 カチャ… ZO( ここか。 空家になってそのままらしいな… ) トコ トコ… ガシッ! ZO「ウグッ」 ギリギリ… ZO「何者だ!」 バッ! ドスンッ… シャドームーン「お、おまえこそ何者だ! …ここは、俺の家だ… 出て行け」 ズル ZO「! …君は、もしや秋月信彦君だな?」 シャドームーン「なぜ俺の名前を知っている。 おまえも白いマントの連中の仲間か?」 ZO「白いマント? いや心配無い。俺は南光太郎君の友人だ。彼が君を捜しているよ」 シャドームーン「光太郎が…? 光太郎が居るのか? どこに!? 父や妹は!」 ガシャ―ンッ! ヒュルルルル… ダロム「お捜ししましたぞ、シャドームーン様」 バラオム「シャドームーン様を生命維持カプセルに、ビシュム!」 ヴィィィィ――ン… シャドームーン「うわぁぁぁ――!」 ヒュルルルル ZO「しまった、空に! 貴様達、シャドームーンを放せ」 ダロム「何者かは知らんが、われらの邪魔をするようなら…―――こうしてくれる!」 ヒュド―ンッ! ZO「ぐわっ」 ドサ―ッ タタタタタタ… RX「ZO―!」 ZO「うぅ…」 RX「しっかりしろ、ZO」 シャドームーン( あれはもしや… ) ダロム「ム? 姿形は違えど、この伝わってくるパワーはまさしく…」 ビシュム「ブラックサン!」 バラオム「まだ我らに気づいていない様子。今のうちに」 ビビビビ… シャドームーン「光太郎、危ない!」 RX「わっ!」 タッ… ヒュド―ン!! ビシュム「避けられた!? シャドームーン様が我らの邪魔を」 ダロム「ウムム 永い昏睡状態で、どうやら記憶中枢に問題が生じているようだ」 シャドームーン( やはりあれは光太郎だ…! ) RX「ハッ――― ゴ、ゴルゴム三神官? そんな、三神官が甦るなんて」 RX「三神官、何故おまえ達が…! 創世王は滅んだんだ、信彦に関るな!」 ダロム「小ざかしい!貴様こそ、我らに太陽のキングストーンを返せ。さすれば、シャドームーンを解放してやろう」 RX「キングストーンは俺の命。信彦の為なら惜しくはないが…、それは出来ない」 ダロム「ならば交渉は決裂だな。我らはこれよりシャドームーンを創世王として強化再生し、新生ゴルゴムの誕生をここに宣言する」 ジリッ RX( 信彦がまたゴルゴムに君臨すれば、過去の惨事を繰り返す。 しかし、ここで俺の太陽の石を渡せば、どの道あの連中は恐ろしい大事を引き起こすだろう。 …どうする? ) ダロム「良いのだな」 RX「待て! ……本当に信彦を解放するのだな?」 シャドームーン「光太郎。俺に構わず逃げてくれ! 父さんや妹を頼む」 ズル… ZO「や、やめるんだRX。 君が命を投げ出しても、彼は戻ってはこないさ」 RX「だめだ… 俺には見捨てる事なんて出来ない。あれはシャドームーンじゃない、秋月信彦だ。 父さんが俺を助けたばかりに殺された事も、妹と時の流れをもう同じように生きられない事も、今のあいつは知らないんだ」 ZO「RX…」 【旧ゴルゴム神殿】 ダロム「ふっふっふ… どうだ、この懐かしい改造手術台の上に居る気分は? ブラックサン」 RX「…」 シャドームーン「や、やめてくれ!」 バラオム「ダロム、本当に太陽の石と交換にシャドームーン様を渡すおつもりか?」 ダロム「二人とも案ずるな。満月の今宵、我らの天・海・地の石のパワーをシャドームーンに送るのだ。 さすれば、シャドームーンは再びゴルゴム世紀王として甦られる。 そして、ブラックサンを倒し太陽のキングストーンを手にしたその時、新生ゴルゴムの創世王として誕生されるであろう」 ビシュム「おお…! では、さっそく始めましょうぞ」 ヒュウウゥゥゥン ダロム「もうすぐ楽にしてやろう」 RX( まずいな。 このままでは本当にキングストーンを取られてしまう… ) ジジジジジジ ダロム「―――― なんだ? 誰かが強い念動波でじゃまをしている!」 バチバチバチッ! ZO「俺だ! RX、今だ逃げろ!」 バッ RX「とあっ! 形勢逆転だな三神官。信彦はカプセルごと頂いてゆく、サラバだ!」 ダダダダダダ… バラオム「ええい、人間の造った改造人間ごときが念動波を使うとは…」 ダロム「こうなっては最後の手段、我ら三人の石の力を全てを注ぐのだ!」 ビビビビビビ 三神官「逃しはしない、シャドームーン!」 ヒュド―ンッ!! RX「ふぎゃっ!」 シュウゥゥゥゥ ジジジジジジ… RX「う… しまった…! シャドームーンのカプセルが…!」 ズル… シュウ シュウ… ガシャン ガシャン シャドームーン「―――――…」 RX「信彦…! 無事だったか。よかった」 ドカッ! RX「うぐっ」 ザザザ―ッ… シャドームーン「… クックック… フハハハハ! ―――――見よ、俺は甦った!」 RX「の、信彦?」 ズルッ… バラオム「おお…」 ビシュム「シャドームーン様!」 シャドームーン「よくやったぞ三神官。どうやら、天・海・地の石の力を使い果たしたようだな。 待つがいい。今ここでRXを倒し、この俺が新たなる創世王となったあかつきには、貴様達の力も復活しよう」 ダロム「おぉ…!」 RX「う、…ちくしょう、なぜだ… なぜなんだぁ―!!」 ZO「立てRX、立つんだ!」 ガシャン… ガシャン… シャドームーン「今や俺は無敵だ」 ガッ! ZO「ぐっ、苦し… ゴフッ」 ギリギリ ドサッ… RX「ZO!」 シャドームーン「RX、貴様も最期だ」 バスッ RX「うわっ!」 シャドームーン「ククク… いつまでシャドーセイバーをよけきれるかな?」 RX「うぐっ」 ザザッ シャドームーン「どうした、RX。もう後が無いぞ。 クックック…」 ハァ ハァ… RX「うぐ… 信彦、もう一度思い出すんだ昔を。家族を!」 シャドームーン「貴様も最期だ。死ねRX!」 ガッ―― シャドームーン「!? なに…」 ZO「…!」 ギリギリ… RX「ZO!」 ZO「い、今だRX早く逃げろ! 早く」 シャドームーン「ええい放せっ! この… ていっ!」 ズバッ! ZO「ぐぁっ」 ドサッ… RX「ZOー!」 RX「シャドームーン、貴様…! 憎い…、俺はおまえが憎い。俺は断じて貴様を許さないっ! シャドームーン! 」 ザザッ シャドームーン「ゆくぞRX!」 RX「リボルケイン! !? リボルケイン! …だめだ、エネルギー不足でリボルケインが出てこない」 クックック シャドームーン「どうしたRX。我が名はシャドームーン、夜の暗闇を支配する者。満月の元、この俺に勝てるなどと思うな!」 ヒュイィィィィン… ダロム「よいぞ…我らの最後の力をシャドームーン様に注ぎ続けるのだ!」 ビシュム「はい…!」 シュゥ… シュゥ… ZO「そ… うか…、あの三神官から…の 邪悪な力が…」 ヨロ… ガクンッ シャドームーン「うっ!? なんだ… 急に力が…」 RX「!?」 ビシュム「だ、大神官ダロム! バカな… 我らの精神エネルギーがはじかれていくなど」 バラオム「あの改造人間の力か!?」 サァ―――… ZO「――――… 草も、木も川も、この大地は生きている。そして、みんな俺の味方だ。 シャドームーン! おまえが闇夜の支配者ならば、俺はこの大草原の使者だ。 この緑なす大地の上で、俺達を打ち負かせるものなど無い知れ!」 ザザザザザザザザ ZO「RX! 受け止めてくれ、この大地のエネルギーを!」 ゴオォォォォォ…! 三神官「うぅっ!?」 シャドームーン「くっ、力が… むぅ!?」 フォォォオオオ… RX「全身に力がみなぎってきた…―――――戦えるぞ! リボルケイン!」 パアァッ シャドームーン「おのれ…」 RX「とぁっ!」 ザザザザザザザ… ダロム「うぬ、ぬ…!」 バラオム「だめだ。あの改造人間の操る“大地のエネルギー”に遮断されて、我らの力がシャドームーンに届かぬ!」 ビシュム「どうするのです、ダロム。このままではシャドームーン様が敗れてしまう!」 ダロム「まだ、最後の手段が残っている…」 ドサッ… シャドームーン「…」 シュウゥゥ… シュウ… RX( なんとか倒せた… ) ハァ… ハァ ヒュウゥン ダロム「仮面ライダー。それでシャドームーンを倒したつもりか」 RX「なんだと?」 ダロム「フッフッフ…忘れたか? その体内にキングストーンある限り、貴様同様シャドームーンは何度でも甦えるのだ。 そしてこの次は、必ずや貴様を倒してくれよう」 ダロム「今ここでシャドームーンの身体からキングストーンを取り出す以外に、永遠に葬ることは出来んのだ!」 RX「!」 ダロム「どうだ。貴様には出来まい!」 ハッハッハッハ… RX「だまれ!」 ビシュム『大神官ダロム! そのような事を言って、もし本当にあやつがシャドームーン様を…』 ダロム『それでよいのだ、ビシュム。それで良い。 我らの目的はあくまでもゴルゴム復活。ブラックサンがシャドームーンの月の石を取り出し、新創世王となる…』 クックック… ダロム『面白いと思わんか? 人類のために戦ったブラックサンが、今度は人類を滅ぼす者となるのだ!』 シャドームーン「―」 シュウ… シュウ… RX「…… 俺がとどめを刺さない限り、こいつは何度でも甦り、どんどん化け物になっていく」 グッ RX「シャドームーン。オレはお前が憎い! お前が… お前が――――! 」 ザッ… ダロム( そうだ、ライダー。 そのまま剣でシャド―ムーンの体内を切り裂き、月の石を取り出すのだ…! ) カ ラ ン … スッ RX「…… 不思議だよな。こうして横たわっているお前は、少しの邪悪さも含んではいないのに」 シャドームーン「―」 RX「邪気を嫌うはずの草花が、お前の側で何事もなく風になびいている。それを見ているとオレも信じたくなるよ。 …未来を」 ガクリ ダロム「な、なんと…」 ダロム「愚かな! 愚かなヤツよブラックサン。もはや、これまでか」 ZO「愚かなのはおまえ達のほうだ、三神官」 ZO「ヒトを慈しむ心を持たぬ、おまえ達の誤算だ。 破壊という行為でしか事を解決することを知らぬ者たちに、未来など築けるわけもない」 シュウゥゥゥー… バラオム「おお、おお… 夜が明ける! 朝の光が…」 ビシュム「か、体が消えてゆく…」 シュゥゥゥ… RX「貴様達は二度と見たくない。かってに消えてなくなれ!」 シュゥゥゥ… シュゥゥゥ シャドームーン「―」 RX「よいしょっと…」 すっく スタスタ… RX「オレ、こいつ何処かに隠してくる」 ZO「…」 ピクッ シャドームーン「―――…」 バッ― RX「うっ!?」 ギリギリギリ… シャドームーン「…」 ZO「やめろ、シャドームーン!」 ギリギリギリ シャドームーン「憎い! 俺はおまえが憎い、南光太郎―――――……」 ガクリ シャドームーン「―」 シ ン … RX「…」 すっく RX「あ。そうだ… ZO、ありがとう」 ZO「いや」 RX「…」 スタスタスタ… ZO( 彼はこのさき永い時の流れの中を、あの男を背負って生きて行くんだろうか… ) 【ライダ―邸】 RX「え? 北海道に行く!?」 2号「なンだ、聞いてなかったのかRX。 ZOはトレーニングする為にここに寄ってただけなんだぞ」 RX「ホントに行っちゃうの? ホントに…?」 ZO「ああ」 ストロンガー「情けない顔すんな」 スーパー1「しっかりな!」 ガヤガヤ スカイ「ZOなら大丈夫さ!」 ワイワイ RX「…」 ZO「この庭とも、もうお別れか」 RX「アハ。 ZOってさ、不思議な力が使えるんだなぁ。ホントはオレよか、うんと強いんじゃないの?」 ZO「そんなことないさ」 RX「…勝てよな、ZO。そしてまたここに戻ってこいよ」 ZO「ああ!」 ライダー邸にほろ苦い思い出を残し、ZOは北海道へ旅立って行った。 【タックルの家】 タタタタタタ… RX「タックルさぁ〜〜ん!」 タックル「あら、RX。どうしたのよ」 RX「見て、ほらほら」 タックル「あっ 私があげたサボテン、花が咲いてるじゃないの!」 RX「うん。へっへっへ♪」 タックル「きっと、あの銀色さんの植え替え方が良かったんだわネ」 RX「……」 タックル「銀色さん。 ちゃんと家族に会えたのかなぁ…」 RX「会えたさ。…きっと」 タックル「そうよね!」 とことこ… とことこ… RX「 ZOにも見せてやりたいな。 ♪♪〜… 」 一人去り… 二人去り… The End |