■回想録2 仮面ライダーが死んだ日。■

――――去る平成13年1月17日。仮面ライダー、変身忍者嵐、バロム1など多くのヒーロー達を
演じられた大野剣友会・中村文弥氏が他界された。これは氏と氏を思う人々に送る私の思いである。


ライダーが死んだ。


彼は仮面ライダーだった。

仮面(マスク)で素顔を覆い、黒いスーツを着こなし、主人公を演じる俳優が『変身』した途端、

彼はいつも現れた。

屈強に、誇らしく、その勇姿を我々に見せてくれた。



彼は怪人と戦った。

怪人は彼の仲間だった。

彼と怪人は、ブラウン管の向こうで見ているであろう子供たちのために、必死で戦った。

暑い日も、寒い日も、高い岩山でも、冷たい水の中でも

彼らは本気で立ち向かった。

 

私たちは見ていた。

彼らを見ていた。

手に汗にぎり、応援した。


 『さっきのライダーのキック、かっこ良かったなぁ!』


TVの中では、ライダーはまた主人公の青年に姿を戻していた。




いったい誰が知るのだろう。

マスクの下から覗く眼差しの正体を。

いったい誰が思うのだろう。

彼らが注いだ熱い情熱の結晶を。

いったい誰が叫ぶのだろう。

彼が本当の仮面ライダーの一人だったのだと!

彼が私たちの瞳に焼き付いて消えない、あの勇姿を見せてくれた人だったのだと!



・・・彼はもういない。



彼と共に、彼が魂を吹き込んだ数々の英雄たちが“永遠”となって羽ばたいていった。


さようなら


中村文弥さん。



ありがとう、仮面ライダー。変身忍者嵐、バロム・1、アポロガイスト、ヨロイ元帥・・・

ありがとう



  ありがとう・・・